【挑戦企画】ビルダー機能でどこまで出来る?世界通貨セレクトのAUD/CAD戦略を魔改造してみた

実践&検証
目次

    トライオートFXには、世界通貨セレクトをはじめとした選んで始める「セレクト機能」と自分で自動売買プログラムを作る「ビルダー機能」に分けられます。

    世界通貨セレクトは利益と損失のバランスを取った自動売買プログラムですが、「もっと利益率を追求したい」や逆に「もっとリスクを減らしたい」と言う場合にはこのビルダーを使って自分なりの自動売買プログラムを作っていくことが可能です。

    ここでは世界通貨セレクトのAUD/CAD戦略をベースにビルダー機能を使って最適化を行うことでどのような変化が起こるのか?、を検証していきたいと思います。

    ※ご注意
    ビルダーは難易度は高くは無いものの、選ぶだけのセレクトに比べるとそれなりのFX知識・経験があったほうが良いことは事実。これから始める方、特に初心者の方にはトライオートに慣れる意味でも「世界通貨セレクトから入る」方をおすすめします。
    【ご参考】筆者作成記事:【前編】FX歴15年のプロに学んでみんかぶ編集部が「トライオートFX」やってみた|忙しくても、怖くても、NISAしか知らなくても始められる次世代の資産形成

    そもそもトライオートFXのビルダーってどんなもの??

    ビルダーとは:セレクトとの違いを明確に解説

    トライオートFXの自動売買は、大きく分けて「セレクト」と「ビルダー」の2つの入り口があります。

    ■ セレクトとは
    プロが選んだ通貨ペアと過去のデータに基づいて最適化された自動売買が予め用意されており、それらを選んで、すぐに取引を始められる機能です。複数の通貨ペアのリストから選ぶだけで、すぐに実績のある自動売買をスタートできます。手間がかからず、初心者でも安心です。


    ■ ビルダーとは
    1から自動売買をつくることができる機能です。難しいプログラミング知識や設定は必要なく、画面に沿ってレンジ幅や利確幅などを決めるだけで簡単にオリジナル自動売買を構築できます。相場予想や取引アイデアあるいは投資金額に合わせて、自分にあったトライオートの運用が可能です。

    食事で例えると「セレクト」がプロのシェフが考案した栄養バランスの取れた「コース料理」だとすれば、「ビルダー」は、あなたが好きな食材や調理法を自由に選んで組み立てる「アラカルト」や「オーダーメイド料理」のようなものです。

    アナタはどっち派?「ビルダー」vs「セレクト」

    では、次にそれぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。

    セレクトを運用する中で
    「(多少のリスクは甘受してでも)レンジ幅を少し狭めたい」
    「利確幅を今の相場に合わせて調整したい」
    と感じ始めたら、ビルダーの世界へ足を踏み入れるサインかも知れません。

    ビルダーで実践!とその前に

    いよいよビルダー機能を使った実践に入りますが、今回の検証を行う上で2つの重要な前提を共有します。それは「最適化の定義」と「通貨ペアの選定理由」です。戦略の根幹となる部分ですので、しっかりと押さえていきましょう。

    今回の「最適化」の定義を考えよう

    「最適化」と聞くと、多くの人が「利益の最大化」をイメージするかもしれません。しかし、FXの世界ではリターンとリスクは常に表裏一体。リターンだけを追い求めれば、必然的にリスクも増大します。

    そこで、本記事における「最適化」を次のように定義します。

    「元のセレクト設定が持つリスク(最大ドローダウン)をちょっとだけ許容、あるいは同等レベルに維持しつつ、期待できるリターン(期待年利)の向上を目指すこと」

    闇雲に利益を追求するのではなく、リスク管理を大前提とした上で、より効率的な収益構造を構築する。これを目指した最適化にチャレンジしてみたいと思います。

    なぜ「豪ドル/カナダドル」を選ぶのか

    数ある通貨ペアの中から、なぜ今回は「豪ドル/カナダドル(AUD/CAD)」を選ぶのでしょうか。それには以下のような理由があります。

    1. レンジ相場を形成しやすい特性:
      オーストラリア(豪ドル)とカナダ(カナダドル)は、どちらも鉄鉱石やエネルギーの輸出を経済の基盤とする資源国であり、且つ「大英連邦」メンバーであるなど経済的・歴史的にも結びつきが強い国です。そのため、どちらか一方の国だけが極端に強くなったり弱くなったりしにくく、価格が一定の範囲内を行き来する「レンジ相場」を形成しやすいという特徴があります。これは、設定したレンジ内でコツコツと利益を積み上げるトライオートFXの戦略と非常に相性が良いのです。
    2. 比較的安定した値動き:
      主要な通貨(米ドル、ユーロ、円などが絡む通貨ペア)に比べ、AUD/CADは比較的値動きが穏やかな傾向にあります。これにより、相場の急変によるロスカットのリスクをある程度抑えながら、安定した運用を目指すことが可能です。

    これらの理由から、豪ドル/カナダドルはビルダー機能で独自の戦略を構築する上で、非常に魅力的な通貨ペアの一つと言えるのです。

    世界通貨セレクト「豪ドル/カナダドル」を最適化してみた

    ここからが本題です。既存の「世界通貨セレクト AUD/CAD」をベースに、ビルダー機能を使ってどのように「魔改造」していくのか、その思考プロセスと手順をすべて公開します。

    【プロセス①】まずは元の設定を分析する

    出典:インヴァスト証券 トライオートFX世界通貨セレクト AUD/CAD解説記事より

    ・過去10年間において豪ドル/カナダドルは0.80~1.05のレンジで推移していることから、中心となる0.925を基準にレンジ戦略の下限は2020年のコロナショック時に記録した0.80までをカバー、上限は高値である1.05を設定しています。

    ・また、1985年から約40年間においても、歴史的に0.72~1.10のレンジ内で推移しており、そのおよそ90%をカバーするレンジとなっています。

    ・本戦略はレンジ中央の0.925より上では「売り」、下では「買い」の取引をおこないます。また、直近3年間の日足の終値を95%以上カバーできる0.866~0.988では注文間隔と利確幅を狭く設定しています。

    ・広いレンジをカバーしながら、取引が集中していた価格帯では細かく売買することで、効率よく収益を狙う構成になっています。

    引用:世界通貨セレクト「豪ドル/カナダドル」解説記事

    まずは現状分析から。「世界通貨セレクト AUD/CAD」の解説記事によると買い/売りそれぞれにメインレンジとサブレンジが設定されているようです。解説記事にはパラメータの記載もありましたので一部抜き出してみます。

    【世界通貨セレクトAUD/CADの設定】

    ・運用タイプ: ハイブリッド(買いと売りの両建て)
    レンジ幅: 0.79500~1.05000 CAD
    注文本数: 70本(買い35本、売り35本)
    利確幅: 30pips、60pips

    なお、こちらの設定や解説記事の内容は執筆時点のものになります。最新の情報は口座開設(無料)後に解説記事でご確認ください。

    この戦略は過去の広い値動きをカバーし、安定性を重視したバランス型の設定と言えますね。
    次に世界通貨セレクトAUD/CADのシミュレーション(3年間)を見ていきましょう。

    出典:インヴァスト証券 トライオートFXシミュレーション画面より/世界通貨セレクトAUD/CAD(収益シミュレーション:3年)

    ・収益率(3年):+83%
    ・総合損益:+193,190円
    ・推奨証拠金:233,000円
    ・最大ドローダウン:85,633円

    3年で83%収益、十分優秀な数値ですよね。
    この世界通貨セレクトAUD/CADを最適化する方法はあるのか?どこを変更すれば良いのか?、チャレンジしていきましょう。

    【プロセス②】レンジ設定編:現在の相場に最適化する

    まず自動売買の心臓部とも言える「レンジ設定」から始めます。「世界通貨セレクト AUD/CAD」の解説記事を元にビルダーを使って元のレンジを設定します。
    ※実際の世界通貨セレクトAUD/CADは買い/売りともレンジが2種類(メインレンジとサブレンジ)あるのですが、説明が複雑になるのでここでは1つのレンジ設定で実施します。

    出典:インヴァスト証券 トライオートFX チャート画面より

    10年間(2015年~)の月足チャートで出して見ましたが、上下ともキレイにカバーできていますね。でもここ5年程度で見るとレンジ上限は概ね1.00、下限は0.85(上下の赤線箇所)になっています。※2020年の下限はコロナショック

    仮に「コロナのような世界的なショックはそうは起こらないだろう」と高を括るとそこに注文用の資金を入れておくのはもったいないのでレンジ幅はそのままにそれぞれ上下にシフトしてみます。

    出典:インヴァスト証券 トライオートFX チャート画面より

    レンジ幅をそのままにしているとかなり被っちゃいましたw
    では、この状態でシミュレーションしてみます。

    ビルダーでレンジ狭めた結果
    出典:インヴァスト証券 トライオートFX シミュレーション画面より

    ・収益率(3年):+95%
    ・総合損益:+229,570円
    ・推奨証拠金:242,000円
    ・最大ドローダウン:158,720円

    収益率は10%ほど上昇しましたが、最大ドローダウンも90%近く増加してしまいました。これではリスクとリターンのバランスが悪いので更に改善を行っていきます。

    上下限を狭めた結果、レンジの被りが大きくなりすぎていますのでもう少し調整したいと思います。

    出典:インヴァスト証券 トライオートFX チャート画面より

    ここ3,4年ぐらいのレンジを意識して、買いの下限はそのままでレンジ幅を概ね半分にしてみました。シミュレーションの結果が以下になります。

    ビルダーで買いのレンジを半分にした結果
    出典:インヴァスト証券 トライオートFX シミュレーション画面より

    ・収益率(3年):+151%
    ・総合損益:+353,769円
    ・推奨証拠金:235,000円
    ・最大ドローダウン:119,964円

    3年間のシミュレーション結果では世界通貨セレクトAUD/CADと比べて収益率は+80%、最大ドローダウンは+40%と言う結果になりました。ようやく「カスタマイズもアリかも・・」と思ってもらえる数値にはなりましたね。

    でも上下全体のレンジ幅を狭めて且つ、買いレンジ幅を更に半分にしてシミュレーション期間に寄せてしまっていますので、シミュレーション(★あくまでも3年間★)の収益率は上がりましたが、レンジを抜けてしまうリスクも相対的に上がってしまっています。

    やっぱり世界通貨セレクトのAUD/CADのほうが良いのでは?
    ・・いやいや、まだ利確も注文本数もある!、気持ちを入れ直して次のステップに進みます。

    【プロセス③】利確・注文本数編:シミュレーションでTry&Error

    次に利確幅と注文本数を調整し、収益効率の向上を目指します。ここではトライオートFX自慢の「シミュレーション機能」をフル活用します。机上の空論ではなく、データに基づいて最適な設定を探っていきます。

    利確幅

    まずは利確幅をイジってみます。
    現在の利確幅は「30pips」に設定してありますが、前項で設定したレンジ幅で利確幅を10pips/50pips/100pipsに変更した場合にどうなるのか?を比較してみました。

    こちらの検証では
    ・利確幅を狭める → 収益性は下がるがリスク(最大ドローダウン)も下がる
    ・利確幅を広げる → 収益性は上がるがリスク(最大ドローダウン)も上がる
    と言う結果になりました。

    筆者の経験上、利確幅を上げたほうが収益率が高い傾向なのはどの通貨ペアでも見れますが、ただあまり利確幅を高くすると最大ドローダウンも上がりますし、なにより精神安定上もあまりオススメしません

    利確幅の検証結果を見る限り、収益率と最大DDのバランスを考えると既存設定の30pipsが良い気がしますのでデフォルトのまま、注文本数設定に進みたいと思います。

    注文本数

    続いて注文本数です。
    既存の設定では注文本数は70本(買い:35本、売り:35本)にしています。

    これを
    40本(買い:20本、売り:20本)
    100本(買い:50本、売り:50本)
    にした場合でシミュレーションした結果が以下になります。

    注文本数は
    ・注文本数減らす = 収益性↓ 証拠金↓ 最大DD↓
    ・注文本数減らす = 収益性↑ 証拠金↑ 最大DD↑
    と言う結果になりました。

    特に推奨証拠金(用意する資金の目安)は注文本数に大きく影響を受けるので、ご自身の資金量に応じて調整をかけて見るのは良いかも知れませんね。

    今回の検証は「リスクをちょっと許容(または維持)しつつ、収益最大化を狙う」と言う大方針がありますので注文本数は40本を採用します。

    では、最後にレンジ幅利確幅注文本数を最適化した結果をご覧ください。

    ※過去のシミュレーション結果であり、将来の利益を保証するものではありません。

    【結果比較】最適化前後のパフォーマンス

    それでは、最終的な結果を見てみましょう。「元の設定」と、我々がビルダーで構築した「最適化後の設定」のシミュレーション結果を比較します。

    <最終的な設定>
    ・上下レンジ:0.85 ~ 1.00
    ・レンジ幅:買い640pips、売り1,240pips
    ・注文本数:40本(買い20本、売り20本)
    ・利確幅:30pips

    ビルダーで最適化した最終的な結果
    出典:インヴァスト証券 トライオートFX シミュレーション画面より

    結果を見ると収益率は大きく改善し、必要資金もリスクも改善しました。
    これでお題目であった「元のセレクト設定が持つリスク(最大ドローダウン)をちょっとだけ許容、あるいは同等レベルに維持しつつ、期待できるリターン(期待年利)の向上を目指すこと」の目標を達成する非常に良い結果だった、と数字上では見えます。

    ・・・でもホントにそうでしょうか??
    今回の実験をまとめで振り返ってみましょう

    ※過去のシミュレーション結果であり、将来の利益を保証するものではありません。

    まとめ

    まず本記事ではトライオートFXで用意されている「世界通貨セレクトAUD/CAD」を以下のようにカスタマイズしました。

    ■1.レンジ幅
    ・直近5年程度のレンジにあわせて上下レンジを狭める
    ・更に直近3,4年の値動きにあわせて買いレンジ幅を約半分にする

    ■2.利確幅
    ・検証したものの、結果的には変更せず

    ■3.注文本数
    ・投資資金を減らす目的で70本→40本に減らす

    上記1~3の結果、収益率・投資資金・リスクとも改善することに成功しました。
    が、それはあくまでトライオートFXのシミュレーション期間である3年間での結果であることには十分すぎるほどの注意が必要です。

    よく考えて見るとコロナも含めた10年間(2015-2025)のレンジを100%カバー、過去40年(1985-2025)を遡っても90%カバーされている世界通貨セレクトAUD/CADと比べて、コロナを含めない5年程度のレンジカバーしかしていない今回のロジックはレンジブレイク(上下のレンジを超える動き)が発生するリスクが高い・・と想定する必要があります。

    では、どうするのか?

    解決策としては
    a. 推奨証拠金以上に投資資金を準備してレンジブレイクでも対応できるようにする
    b. 稼働/非稼働のコントロールも含めて常に売買プログラムの最適化を行う
    などが上げられます。

    しかしaは資金効率が下がりシミュレーション結果のような利益率にならず、bは運用難易度が格段に上がると言う問題を抱えることになります。

    結論

    ・ビルダーで”シミュレーション期間にあわせた最適化”は可能
    ・ただしそれには相場や自動売買に対する知識が必要
    ・更に状況に応じた機動的な調整も必要(≒ある程度ほったらかしできると言うメリットがなくなる)

     ⇒⇒ 結局、世界通貨セレクトで良いんじゃない?

    もちろんビルダーでもっと優れたロジックを構築することは可能ですし、筆者も(自分の投資用に)日々ビルダーで答えを探していますが、これをやるには十分な知識と時間が必要ですし、「ビルダーは自動売買プログラムを自分で作るのが好きな人向き」と個人的には思います。

    すでにトライオートFXを長く運用しており、次のステップに進みたい方はビルダーで一緒に最適な答えを見つけていきましょう。

    これから始めると言う方はトライオートFXが提供するプロ作成の自動売買プログラム「世界通貨セレクト」でまずは自動売買を始めて徐々にアレンジしてみてはいかがでしょうか!?


    【重要事項・リスクについて】
    本記事に記載されたシミュレーション結果は、過去のデータに基づくものであり、将来の利益を保証するものではありません。外国為替証拠金取引(FX)は、元本が保証されないハイリスク・ハイリターンな取引です。相場の急変によっては、預けた証拠金以上の損失が発生する可能性があります。お取引の際は、ご自身の判断と責任において、余裕を持った資金管理を行ってください。

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