FXに取り組む上で避けて通れないのが「自動売買」と「裁量取引」、どちらのスタイルを選ぶかという問題です。
どちらにも一長一短があり、トレーダーの性格やライフスタイル、投資の目的によって最適解は変わってきます。
この記事では、両者の特徴とメリット・デメリットを整理し、「自分に合ったトレードスタイル」を見つけるためのヒントをお届けします。
【裁量取引】鍵を握るのは個人の力量

裁量取引は、トレーダー自身が相場分析を行い、エントリーや決済のタイミングを判断して売買するスタイルです。その強みは主に、始める際のハードルの低さ、自由度の高さ、リターンの大きさにあります。
ロットを抑えれば少ない資金からでも始めやすく、自動売買と比較して短期的に大きな利益を狙える可能性もあります。
自分の知識や経験、相場観を組み合わせて、戦略を柔軟に組み立てられるのは大きな強みです。トレンドが明確な相場で上手く立ちまわれれば、爆発的なリターンも期待できます。
一方で、裁量取引には注意すべき点も多いです。
広く知られているのは、感情がトレード判断に入り込むことです。「価格が戻るかもしれない」と考えて損切りできず資金を拘束されたり、「まだ利食いのタイミングではない」と考え決済を先送りにした結果、確定利益が目減りしてしまったりすることもよくあります。
そうした判断を回避するためにシナリオ構築やトレードルールの設定という対策がありますが、感情から来る衝動でそれらを破ってしまう可能性は常について回ります。
さらに、チャート監視やエントリーのタイミングを計るため拘束時間が長く、生活リズムへの干渉も避けられません。
裁量取引は自由度の高さが利点ですが、その自由さは逆に「常に自分が考え続けなければならない」というプレッシャーにつながることもあります。
【自動売買】鍵を握るのは、任せる力

次に、自動売買の長所と短所を整理しましょう。
自動売買の最大の強みはトレードから感情を排除できる点です。どんなに優れた分析力があっても、人間の判断には感情が入り込みがちです。しかし、ルール通りに機械的な売買を繰り返してくれる自動売買なら、こうした感情の影響を最小限に抑えられます。
チャートを監視していなくても良い点も、大きなメリットです。仕事や家事で忙しくても、設定さえしておけば取引は自動で行われ、時間的な拘束が大幅に軽減されます。
ただし、自動売買にも弱点はあります。安定的な運用のためにはまとまった額の証拠金を用意する必要があります。また、自動売買は小さな利益を長期間コツコツ積み上げるスタイルであるため、一定の利益を得るまでに時間を必要とします。短期間で大きな成果を求める人には向かないといえるでしょう。
また、トライオートFXのような自動売買はレンジ相場で真価を発揮しますが、相場が常に同じ展開を繰り返すとは限りません。何かの拍子に相場が大きくレンジを外れると、想定外の損失を抱えるリスクがあります。
取引する範囲や注文間隔といった設定をきちんと考えるのはもちろん、完全に放置するのではなく、定期的に運用状況の見直しをする必要があります。確かに自動売買は「任せる運用」ではありますが、「完全放置で勝てる仕組み」「なにもせずにお金が稼げるうまい話」という類のものではないことに注意が必要です。
自動売買と裁量取引、どんな人と好相性?

裁量取引と自動売買をそれぞれ見てきましたが、実際に自分に合うのはどちらでしょうか。それは「投資で何を重視するか」によって答えが変わってきます。
自動売買が向いているのは、「時間がかかってもいいから手持ち資金を着実に増やしたい人」でしょう。日々の値動きに一喜一憂せず、長期的な資産形成を重視するタイプにはぴったりです。
「感情に振り回されて失敗した経験がある」「一度、裁量取引で挫折したが再挑戦したい」という人にも、自動売買は有力な選択肢になります。仕事や家庭と両立しながら投資を続けたい人にとっても、負担の少ない自動売買は心強い味方になってくれます。
一方、「相場を読むこと自体を楽しみたい」「トレードが好き」という人には、裁量取引の方が相性が良いでしょう。戦略を練り、自身の判断で利益を積み上げるプロセスに魅力を感じるなら、長期目線でゆっくり利益を積み上げる自動売買は物足りなく感じられる可能性があります。
短期間で大きな利益を狙いたい、トレンド相場で勝負したいという人も、裁量取引が合っています。流動性の高い通貨ペアを中心にアクティブなトレードを行いたい人、十分な時間を確保できる人にも適した選択肢であるといえます。
裁量取引も自動売買も、「どちらが優れている」という絶対的な答えはありません。最終的にたどり着くのは、自分にとって心地よく、無理なく続けられるスタイルでしょう。その道筋を見つけることこそ、FXを長く続けるための第一歩といえます。
トライオートFXを掘り下げる
トライオートFXは裁量取引にも自動売買にも対応しています。自動売買で安定的な長期運用を運用しつつ、裁量の短期トレードを併用することも可能です。
トライオートFXの裁量取引
裁量取引において重要なスプレッドは、原則固定化されておりますし、OCO、IFD、IFOといった多様な注文にも対応しているため、裁量取引を行ううえでの環境も揃っています。


出典:インヴァスト証券 トライオートFXツール画面より
トライオートFXの自動売買
トライオートFXの自動売買は「リピート系」といわれるものです。簡単に定義すると、「相場の一定範囲に複数の注文を仕掛け、新規建てと利益確定を繰り返す仕組み」となります。
例えばドル円での取引を想定しましょう。

ドル円が140.00円のときに買い注文を出し、140.10円になったら決済するように設定したとします。注文どおり140.10円になったら利益確定となります。その後反落して140.00円になったら買い注文がもう一度出て、140.10円になったら決済されます。
こういった注文を複数設置した上で、このサイクルが繰り返されることで、設定した範囲内を行き来するたびに小さな利益が積み上がっていくのが、このタイプの自動売買の基本的な仕組みです。
トライオートFXの自動売買は安定性・透明性が強み
トライオートFXが得意とするのは、一定の範囲を上下に往復するレンジ相場です。長期間にわたってレンジになりやすい通貨ペアを選ぶことで、コツコツと取引回数が積み上がり、安定的な収益に繋がりやすくなります。
また、トライオートFXの自動売買は、評価損のポジションを常に抱えやすい仕組みでもあります。ただし、裁量トレードでは敬遠される評価損も、自動売買においては、逆に将来の利益の種と捉えることが出来ます。

トライオートFXの自動売買は売買の設定が明確であるため、初心者でもトレードの全体像を把握しやすく、投資判断を体系的に理解する助けにもなります。
上記の画像は、世界通貨セレクトの「NZドル/カナダドル」の売買ロジックです。注文を入れる範囲が明確になっており、青の部分は売り注文、ピンクの部分は買い注文が敷き詰められています。
正しい理解で「短所」も「想定内の仕様」になる
しかし、トライオートFXの自動売買も万能ではありません。例えば「セレクト」で選べる「全世界」の戦略は、安定性の高さの一方、推奨証拠金が150万円以上と高額で、最初に始めるにはハードルが高いといえます。

NZドル/カナダドルの推奨証拠金は「全世界」で最もリーズナブル(2025年10月16日時点)
出典:インヴァスト証券 トライオートFXツール画面より
その場合、「全世界」のポートフォリオを構築する通貨ペアの中から1つを選んで運用する道もあります。
また、自動売買のシミュレーションを最大過去3年分見ることができますが、損切りをせずに評価損を抱えながら運用することが前提であるため、確定益が積み重なるまでは総合損益がマイナスになることもあります。

出典:インヴァスト証券 トライオートFXツール画面より
運用を長く続けるほど、最大評価損はシミュレーションの数値以上に拡大する可能性が高くなります。そのため、シミュレーションの最大評価損より多くの証拠金をあらかじめ用意しておくと、運用の安定化に繋がります。具体的な金額の目安として、トライオートFXで自動売買を選ぶ際に表示される「推奨証拠金」は、過去最大レベルのドローダウンが発生しても運用を続けられるような資金額を意味しているので、まずはこの金額を目安にすることがオススメです。
また、レンジ相場を得意とする設計であるため、レンジ相場を外れて明確なトレンドが出る相場では真価を発揮できなくなります。運用を始める前に年単位で値動きを確かめておき、レンジ相場になりやすい通貨ペアを選ぶ「下準備」が大切になります。
トライオートFXでは、各自動売買ごとに「シミュレーション・ロジック設定・解説」という下準備をサポートするための機能も備えており、これらを見るだけでその通貨ペアや自動売買の背景を理解することが出来ます。
このように、トライオートFXにも弱点はありますが、弱点も把握したうえで対策を取れるようになっている点が特徴です。
※過去のシミュレーション結果であり、将来の利益を保証するものではありません。
まとめ
ここまで裁量取引と自動売買の特徴や、それぞれに向いているタイプを紹介してきました。
繰り返しになりますが、どちらが優れているというわけではなく、自分の投資スタイルに合う方法を選ぶことが大切です。
なお、これからFXに踏み出してみようという方は、
まずトライオートFXを通じて自動売買の仕組みに慣れたうえで裁量取引にステップアップするのも良いでしょう。






