投資に「失敗」はつきもの。
特にFX自動売買は裁量トレード(通常の投資手法)とは違った意外な落とし穴があります。
今回は、MINKABU編集部が実際に経験した“ガチのやらかし”を公開し、その中から得られた教訓をシェアします。
「失敗は成功の母」
これから始める方は筆者が経験した失敗と同じ轍を踏まないようにぜひ参考にしてください。
FXの常識に囚われて通貨ペア選びを失敗
「FXはやっぱり米ドル/円だよね!」に潜む落とし罠

「FXは米ドル/円」と考える人は多いでしょう。
実際に筆者もFXデビューは米ドル/円からでした。
しかしトライオートFXのような自動売買においては、必ずしも米ドル/円が最適とは限りません。
以下、筆者の自動売買での「失敗その1」を語ります。
筆者の失敗その1:通貨選びを間違え数年間を棒に振る
10年以上前に自動売買を初めて触った際、裁量トレードと同じく最初は米ドル/円から開始しました。当時はトライオートFXはなく、プログラム言語を作って売買ロジックを組むタイプで始めてみたのですが、結果 何度やってもバックテストで良い結果が出てきません。
「自分の考えたロジックが悪い?」
「どこかにバグがあるのでは?」
「そもそも筆者のプログラム力が低いのでよくわからない・・」
いろいろ考えて試行錯誤を続けたものの、バックテストの結果が良くなることがなく、筆者のバラ色になるはずだった自動売買スタートは敢え無く失敗。
実は米ドル/円と言う通貨選びでミスっていたのですが、それに気づいたときにはプログラム言語を修正する熱意も失われていたのでした。
そしてトライオートFXの前身になるシストレ24を始めるまで数年間 自動売買を封印することになったのです。
『それは筆者がアホだったからで通貨を替えて検証すればよかったのでは?』と言う声が聞こえてきそうなので、実際に次で検証してみたいと思います!
【検証】自動売買で通貨ペアを入れ替えた場合、成果はどうなるのか?
こちらをご覧ください。

出典:インヴァスト証券 トライオートFXツール画面より
上記は10年間の米ドル/円、豪ドル/NZドルのチャートを見比べたものです。
まず注目して貰いたいのはそれぞれの「高値と安値の差 ≒ pips」
※pipsの説明については以下をご参照ください。
■ Pipsとはなんですか?
「pips」とはFX取引において使用される単位です。異なる通貨単位を共通の単位で表すことができます。対円通貨は「1pips=0.01円(1銭)」、対外貨通貨ペアは「1pips=0.0001外貨」となります。
引用:インヴァスト証券FAQ
過去10年のデータ(2015-2025)では、
USD/JPY 6,281pips (62.81円)
AUD/NZD 1,493pips (0.1493NZD ≒ 1NZDが80円なら11.944円)
トライオートFXのシミュレーション期間の最大値である3年(2023/9-2025/9)で計算しても、
USD/JPY 2,234pips (22.34円)
AUD/NZD 611pips (0.0611NZD ≒ 1NZDが80円なら4.888円)
AUD/NZD は USD/JPY と比べて10年では23.8%、3年でも27.4%程度しか上下の値動きがなかった(レンジが狭かった)ことになります。
トライオートFXは「上下レンジ内に複数の注文本数を設定する」のですが、上の例で見ても分かる通り、AUD/NZDの方がより狭いレンジで注文をいれることができます。
では、実際にパフォーマンスにどう影響するのか?
実際のトライオートFXのビルダー機能を使ってシミュレーションで検証していきましょう!
■ シミュレーション検証条件 ■
【レンジ幅】※ハーフ&ハーフ戦略
・USD/JPY : 買い 139.617 ~ 150.787 売り 150.787 ~ 161.956
・AUD/NZD: 買い 1.05742 ~ 1.08797 売り 1.08797 ~ 1.11849
【その他条件】※両通貨ペアで共通設定
・注文本数: 50本
・注文数量: 0.1万
・ 利確幅: 100pips

上記のようにそれぞれの通貨で3年間のレンジ幅の上半分に売り注文、下半分に買い注文を設定し、その他の条件を同一にした場合で検証してみました。
シミュレーションした結果が以下になります。
【収益率】
・USD/JPY : +142%
・AUD/NZD: +195%

出典:インヴァスト証券 トライオートFXシミュレーション画面より
シミュレーション期間にレンジ幅にあわせたとは言え単純なハーフ&ハーフ戦略でどちらも100%超えと言うのは流石ですねw
米ドル/円も健闘しました。それでも豪ドル/NZドルの方が収益率が高い結果が出ました。
また必要証拠金に相場変動リスクを加えた「推奨証拠金」も豪ドル/NZドルの方が安く、よりリスクが低いことがわかります。
■ 推奨証拠金とは?
推奨証拠金は、自動売買ルールを利用する際の目安の金額となります。推奨証拠金はリスクを考慮して余裕を持ってご利用いただける金額を提示しています。
計算式=必要証拠金(レバレッジ25倍)×取引数量※1+シミュレーション期間内※2の期間最大ドローダウン
※1 売注文と買注文の合計数量を比較し大きい方の数量の合計
※2 倍率とはポジションを翌日に持ち越す際に前日終値と当日始値の乖離によるロスカットを回避するために、過去の前日終値から当日始値の最大下落幅を算出し、それによる損失をカバーする値
※3 シミュレーション画面で選択した期間
引用:インヴァスト証券FAQ※過去のシミュレーション結果であり、将来の利益を保証するものではありません。
【教訓】トライオートFX向きの通貨ペアを選ぼう!

通貨ペアにはレンジを形成しやすい通貨ペア、トレンドを形成しやすい通貨ペアが存在しますが、トライオートFXではレンジを形成しやすい通貨ペアを選ぶことがオススメです。
株式投資は基本的には企業の成長に応じて上昇トレンドを形成することが理想なので、「レンジになりやすい通貨ペアがオススメ!」と言われても違和感を感じる方もいるかもしれませんが、株式とは違った考え方・投資手法である点ではリスクヘッジに繋がると思います。
含み損が増える不安感に負けて取引停止
自動売買プログラムの最初は含み損を抱えやすい
トライオートFXのような自動売買を始めると多くの人が直面する最初の壁が含み損です。特にレンジ内でも急落・急上昇など一方に大きく値動きあった場合、多数のポジションを抱えたうえで決済ができず、一時的に大きな含み損を抱えることがあります。
「レンジの下限はまだまだ先なので大丈夫」
→「今日も含み損 増えたけど、ちょっとづつでも利確しているし・・・」
→「・・・ホント大丈夫?」
以下、筆者の自動売買での「失敗その2」を語ります。
筆者の失敗その2:まだまだこれから、、と思ってもやっぱり気になる含み損
筆者がトライオートFXの前身であるシストレ24を始めた頃、この含み損の多さに「こんなに含み損を抱えて大丈夫なのか…?」と不安に陥りました。裁量トレードでは、含み損をできるだけ抱えないように、少しでもプラスになったらすぐに利益確定をする癖がついていたためです。
この不安に耐えきれず、自動売買を途中で停止&ポジションも手動で全決済させてしまったことがあります。結果として、その含み損は解消されるどころか、その後の上昇局面で得られたはずの利益の機会も失ってしまいました。
この失敗から学んだことは、「自動売買の仕組みを理解し、含み損を必要経費と考える」ことの重要性です。含み損は、将来の利益を生み出すための「種まき」のようなもの。適切な設定で動かしていれば、いずれ相場が反転した際に、含み損だったポジションが次々と利益を生み出してくれるのです。
【教訓】「いまの含み損は未来の利益」と考えよう!
自動売買において、含み損はほぼ避けて通れないものです。特にレンジ相場で利益を積み重ねていく自動売買では含み損は将来の利益の源だと捉えることが重要です。
設定したレンジ内で価格が上下する限り、新規の注文と決済が繰り返され、着実に利益を積み重ねてくれます。その間、保有しているポジションが含み損を抱えていたとしても、それは一時的なものです。大切なのは、日々の値動きに一喜一憂せず、決めたルール通りにプログラムを稼働させ続けることです。
利益確定が待てずに途中決済→次の日上昇で機会損失

筆者の失敗その3:シミュレーション機能で最適な利確ラインを設定したけれど、、、
トライオートFXの最大の魅力の一つに、シミュレーション機能があります。過去のデータに基づいて、設定した条件でどのくらいの収益が期待できるのかを事前に確認できます。
筆者もシミュレーションを何度も繰り返し、最適な利確幅を見つけました。たとえば「100pipsの利確幅」で設定した場合、シミュレーション上では安定して利益を積み上げていました。
しかし、いざ実際に自動売買を始めると、シミュレーションとは異なる感情がわき起こってきました。それは「もっと早く利確したい」「このまま利益が減ったらどうしよう」という焦りです。
シミュレーションでは完璧に見えた設定も、いざ目の前で動いているのを見ると、「このまま待つのは怖い」と感じてしまいます。筆者は「シミュレーションで設定した100pipsまで待てない!」と、手動で利益確定してしまいました。
すると、どうなったでしょうか。手動決済した翌日、相場は筆者が設定していた100pipsのラインをあっさり超えて上昇しました。本来得られるはずだった利益は、自分の手で小さくしてしまったのです。
【教訓】自分にあった設定を知ろう!
この失敗から学んだのは、シミュレーションで完璧な設定を見つけることと、それをメンタル的に維持できるかは別問題だということです。シミュレーションでどんなに高い収益率が出たとしても、日々の値動きに耐えられなければ意味がありません。
もしあなたが筆者のように、小さな利益でも手動で決済してしまいがちなら、利確幅を小さめに設定するのも一つの手です。たとえば「50pips」や「30pips」など、自分がメンタル的に安心して見ていられる幅に調整してみましょう。
収益率は多少落ちるかもしれませんが、精神的なストレスが減り、自動売買を長く続けやすくなります。大切なのは、「続けられること」です。自分に合った設定を見つけることが、最終的な成功への近道です。
裁量トレード商品の誘惑に負けて浮気→撃沈

米国株が絶好調!ホントに自動売買で良いのか?
トライオートFXで安定的な収益を積み重ねている最中、別の投資手法に心が揺らいだことがあります。当時、米国株が絶好調で、「この波に乗らないと損をするのでは?」という焦りを感じたのです。
トライオートFXは安定的なレンジ相場向きの投資手法ですが、トレンド相場が続く市場では収益機会が少ないと感じる時期もあります。この不安から、筆者はトライオートFXを一旦停止し、裁量で米国株の取引を始めました。
結果はどうなったでしょうか。FXで得た利益をあっという間に失ってしまいました。米国株は順調に上昇していたものの、筆者が売買を始めたタイミングが悪く、高値掴みしてしまったのです。裁量トレードの難しさを改めて痛感しました。
【教訓】トライオートFXならリスクヘッジと利益チャンスのどちらも狙える!
この失敗から、改めてトライオートFXの価値を再認識しました。それは、トレンドに左右されない安定性です。
裁量トレードは、相場のトレンドを予測し、うまく波に乗れば大きな利益を得られます。しかし、トレンドが転換したり予測が外れたりすると大きな損失を被るリスクもあります。
一方、トライオートFXはレンジ相場に強くトレンド相場が続く市場で裁量トレードを行う際の「リスクヘッジ」として活用できます。トレンド相場が来たら裁量トレードで利益を狙い、レンジ相場に移行したらトライオートFXで安定的に利益を積み重ねる、といったように、両者を組み合わせることで、どんな相場でも利益を狙うことができます。
まとめ
投資に失敗はつきものですが、特に自動売買は「設定したら終わり」ではなく、自分の投資スタイルやメンタルに合わせた調整が重要です。
MINKABU編集部の失敗談を教訓として、これからトライオートFXを始める方は以下の3つのポイントを意識してみてください。
・通貨ペア選びは、自動売買向きの「レンジ相場になりやすい通貨ペア」を!
・含み損は「未来の利益」と捉え、日々の値動きに一喜一憂しない!
・シミュレーション結果だけでなく、自分にあった「続けられる設定」を見つける!
これらのポイントを押さえることで、あなたのトライオートFXの成功への道が、より確実なものになるはずです。
投資の世界では、一つ一つの失敗が、次に繋がる貴重な経験となります。あなたの投資経験を、私たちMINKABU編集部にもぜひ聞かせてください。
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