10月収益率ランキングと今後の展望 11月の狙い目通貨ペアは◯◯!?

ランキング
目次

    世界通貨セレクト人気通貨ペアランキング

    「収益順位」は、世界通貨セレクトの、2025年10月1日~31日の1か月間の実現損益(スワップポイントを除く)を比較し、ランキングとしてまとめたものです。上位の自動売買ほど、良い成績を示しています。

    11月は引き続きオセアニア通貨×カナダドルが1,2フィニッシュ

    10月の収益ランキングではNZドル/カナダドル(NZD/CAD)がトップ、豪ドル/カナダドル(AUD/CAD)が2位と9月の1位と2位が入れ替わる結果となりました。

    NZドル/カナダドル(2025年10月チャート:1時間足)
    出典:インヴァスト証券 トライオートFXチャート画面より

    10月のNZドル/カナダドルは概ね0.800~0.815(150pips)内で推移しました。

    月初は比較的堅調な上昇を見せていたNZドル/カナダドルですが、10/8にNZ中銀が予想外となる0.5%利下げを行ったことで大幅に下落。その後は月末まで概ね0.800~0.809内のレンジに収まっています。

    10月単体で見ると買い注文のレンジ(ピンク)内を徐々に切り下げていてあまり利益を上げていないように見えますが、7月ぐらいまでに仕込んだ売り注文が決済されたことで利益を上げています。 なお、カナダは雇用者数・前月比(10/10)、CPI(10/21)とも予想を上回る結果となり、10/29にはカナダ中銀は金利据え置き(2.25%)を決定しています。

    豪ドル/カナダドル(2025年10月チャート:1時間足)
    出典:インヴァスト証券 トライオートFXチャート画面より

    豪ドル/カナダドルは概ね0.906~0.924(180pips)内で推移しました。

    月初は先月から引き続き堅調に推移していた豪ドル/カナダドルでしたが、10/10にカナダ雇用者数・前月比が予想を上回ったことで0.908近辺まで下落。

    その後は
    ・10/16発表 豪・失業率が4.5%に悪化(下落要因)

    ・10/21発表 カナダCPIが予想より上昇(下落要因)

    ・10/29発表 豪CPIが予想より上昇(上昇要因)

    と強弱まちまちの経済指標で方向感がつかない動きが続きました。

    NZドル/カナダドルとは違い、ここ数ヶ月は買い注文のレンジ(ピンク)内を堅調に上昇していましたが、10月に入り0.924の売り注文(水色)の下限付近でもみ合いに転じた印象です。

    11月以降、上昇トレンド継続するか否かには注目です。

    レンジ内推移

    「出典:セカツウ月報:2025年10月

    「レンジ内推移」は各自動売買で設定しているレンジ帯における、月末時点の価格位置を表したものです。0%をレンジ下限、100%をレンジ上限としています。 先ほど解説したNZドル/カナダドル、豪ドル/カナダドルは10月末時点でそれぞれ44%(前回45%)、48%(前回49%)とほぼ中間位置にいる一方で豪ドル/NZドルは95%(前回94%)と上限に近づいています。

    【ちなみに情報】

    豪ドル/NZドルがレンジ上限に肉薄していますが、「レンジの上限に到達したらどうなるの?」と疑問が出てきそうなので説明しますね。

    結論を言うと、

    レンジを超えるとそれ以上の注文が入らなくなります。ただポジションが決済(損切り)されるようなことはなくそのままポジションはキープされます。

    世界通貨セレクトはどの通貨ペアでも「損切り」は設定していません。あくまで筆者の意見にはなりますが、世界通貨セレクトで扱う通貨ペアは、長期に渡って基本的にはレンジが形成されるという前提があるため、仮にレンジを超えた場合でも、いずれレンジ内に戻って来ることを想定し、損切を入れていない。・・・のだと考えています。

    世界通貨セレクトは7通貨ペアの組み合わせでコツコツ長い目で利益を上げる自動売買ですので、投資資金にさえ余裕があればしばらく待っておくことも選択肢の1つとして考えられるかと思います。

    もちろん、投資は自己責任となりますので、レンジを超えた瞬間に損切という選択肢も間違いではありません。 大事なのは、レンジアウトした時にどう行動するのかという自分なりの指針を持つことです。

    11月以降の注目通貨ペア

    豪ドル/NZドル(2025年10月チャート:1時間足)
    出典:インヴァスト証券 トライオートFXチャート画面より

    前回「10月以降の注目通貨ペア」で紹介した豪ドル/NZドルに引き続き注目しています。 以下、オーストラリアとニュージランドの最新(記事執筆時点)の政策金利・CPI(前年比)・失業率をご覧ください。

    過去10年(2015年1月~)から遡ってみても「豪・政策金利>NZ・政策金利」がこれほどの差がついたことはありません。これはニュージーランドの失業率がコロナ禍以来の5.3%と悪化したため、0.5%の利下げを行ったことが大きいものの、CPIも3期連続で上昇しておりバランスを取らないといけません。

    一方、オーストラリアの方は失業率は比較的低位にいますが2023年から右肩上がりで且つ、CPIに至っては直近発表で急上昇を見せて政策金利は現状維持を決定したものの、その前の数カ月は右肩下がりで「直近のCPI急上昇がなければ利下げも!?」と噂されていたほどです。

    つまり、「CPIは気になるけど、失業率悪化の対応を優先して大幅利下げしたニュージーランド」と「直近のCPI上昇で利下げしなかったオーストラリア」の差がこの政策金利差となって豪ドル/NZドルに跳ね返っていると考えられます。

    でも、これっていつまでも続くでしょうか?
    筆者はいずれNZ失業率or豪CPIが落ち着いて、両国金利差も縮まってくると想定しています。

    10月末時点でレンジ上限ギリギリ95%(前回94%)の位置にいますが、上記で説明した通り仮にレンジ上限を超えても決済されるわけではないため、気長にレンジ中央付近に戻るのを待ちたいと思っています。

    さて、「その時」はいつくるのか?

    11月以降の動きにも引き続き注目です!

    【参考】10月の外国為替概況

    注目の経済イベントと結果

    • 10月8日 NZ中銀政策金利: 予想 2.75% 結果 2.5%
    • 10月10日 カナダ雇用統計(雇用者数・前月比): 結果 +6.04万人
    • 10月10日 カナダ雇用統計(失業率): 結果 7.1%
    • 10月16日 豪雇用統計(失業率): 予想 4.3% 結果 4.5%
    • 10月20日 NZ CPI [前期比]: 予想 0.9% 結果 1.0%
    • 10月21日 カナダCPI [前月比]: 予想 -0.1% 結果 0.1%
    • 10月29日 豪CPI [前年比]: 予想 3.0% 結果 3.2%
    • 10月29日 カナダ中銀政策金利: 予想 2.25% 結果 2.25%
    • 10月31日 カナダ・実質GDP [前月比]: 予想 0.0% 結果 -0.3%

    全体の動き

    山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長

    1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。 (社)日本証券アナリスト協会検定会員

    10月1日からの米連邦政府機関一部閉鎖の影響などから10月はドル安圏でスタート。ドル円は146円50銭台を付けた。10月4日の自民党総裁選で下馬評を覆して高市氏が勝利したことで流れが一変。積極財政への期待がドル高円安に繋がり、10日に2月以来のドル高円安圏となる153円29銭を付けた。2日に172円20銭台を付けたユーロ円が178円に迫るなど、円は全面安となった。カナダ円が105円20銭から109円74銭、豪ドル円が96円86銭から100円95銭、NZドル円が85円34銭から88円55銭など、資源国通貨に対しても軒並みの円安進行となった。

     その後米中貿易摩擦懸念の再燃や米地銀の不正融資疑惑からの信用不安警戒、公明党の連立離脱を受けた国内政局の不透明感からのリスク警戒などがドル売り円買いに繋がり、ドル円は17日に149円38銭までドル安円高となった。1.1540ドル台を付けていたユーロドルが1.1728ドルまでユーロ高ドル安となるなど、ドル全面安の動きが見られた。豪ドルは、豪州の対中輸出が昨年の輸出全体の約35%を占めるなど中国との関係が密接なこともあり、米中摩擦の影響を強く受けて96円26銭と9月初め以来の安値圏を付けた。

     その後は月末までドル高円安となった。高市氏の新首相就任が濃厚となった前後から高市トレードと呼ばれた円売りが再開。米FOMC後のパウエル議長会見で追加利下げに慎重な姿勢が見られたことや、日銀金融政策決定会合の植田総裁会見で追加利下げへの具体的な言及が見られなかったことなどから、日米金利差の縮小期待が後退。円キャリー取引の拡大からのドル高円安につながった。米利下げ期待の後退によるドル高は対欧州通貨でも目立ち、ユーロドルが1.1520ドル台まで下落。ポンドドルに至っては、英財政赤字懸念の台頭を受けたポンド自体の売りもあり、10月初めの1ポンド=1.3520ドル台から1.3090ドル台を付けた。ユーロ円は、対ドルではユーロ売りを円売りの勢いが勝り、史上最高値を更新する178円82銭を付けた。資源国通貨も軒並みの上昇で、10月前半の高値を更新。豪ドル円は2024年11月以来となる101円台に到達。カナダ円も年初以来の110円台を付けた。カナダドルに関しては10月23日にトランプ大統領がカナダとの貿易交渉をすべて打ち切ると発言し、25日に10%の追加関税を表明したことでカナダ安となる場面が見られたが、円安の勢いが勝った。

    <お断り>本記事は、執筆者の記事執筆時点の見解に基づくものであり、インヴァスト証券株式会社は、本記事に記載された見解、内容および表現手法その他に関して、一切の責任を負うものではありません。また、本記事に記載された情報は取引を推奨し、勧誘するものではございません。

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