2025年10月4日に実施された自民党総裁選で、高市氏が小泉氏を決選投票で破り、女性として初めての新総裁に選出されました。
高市早苗内閣総理大臣の誕生により、「高市トレード」相場が形成され強い円安トレンドが継続しています。
10月の高市トレード相場を振り返る
高市内閣誕生がもたらした市場への影響
高市氏の首相就任発表を受け、10月6日(月)のドル円は前週末の147.43円から大きく窓を開けて149.20円でスタートしました。
高市新首相の「経済政策は政府と日銀が足並みをそろえて協力する必要」の発言や植田総裁の「通商政策の影響を巡る不確実性は、なお高い状況」というハト派的(金融緩和を支持する姿勢)な発言から、日銀の利上げ観測が後退し、10月31日にはドル円が154円を超えるほどの非常に強い円安トレンドが形成されています。

2025年10月のドル円 日足チャート
日経平均も同様に強い動きを見せています。10月3日の終値46,007円から大きく窓を開けて10月6日は47,739円で始まり、その後も高値を更新し続けました。月末には52,000円を超え、約6,000円の大幅高となりました。

2025年10月の日経平均 日足チャート
このような急速な株高・円安相場は「高市トレード」と称され、市場では高市新政権の政策期待が投資家心理に対する重要な影響要因として機能しているとみられています。
高市トレード相場でも世界通貨セレクトは安定
このような激しい相場変動の中でも、トライオートFXの世界通貨セレクトは安定したパフォーマンスを維持しました。世界通貨セレクトは、レンジ相場(一定の価格帯で上下に動く相場)を形成しやすい複数の通貨ペアを組み合わせた自動売買戦略です。

ドル円のような大きなトレンドが発生する通貨ペアとは異なり、世界通貨セレクトで採用される通貨ペアは比較的値動きが穏やかで、一定の価格帯での売買を繰り返すリピート自動売買に適しています。
関連記事:長期でコツコツ増やすFXの新提案! 「世界通貨セレクト」完全ガイド
トライオートFXの3大戦略と高市トレード相場
高市トレード相場のような値動きが大きいトレンド相場において、裁量取引ではどうしても感情が邪魔をして、タイミングを逃すことがあります。しかし、こうした相場でもトライオートFXはしっかり利益に変えていくことができました。
以下は、トライオートFXで組んだポートフォリオの10月14日~10月31日の収益カレンダーです。およそ2週間の運用で24,698円の確定利益が積み上がりました。

今回の利益は、3つの戦略がそれぞれ異なる役割で収益に貢献した結果です。
①世界通貨セレクト:ノルウェー/スウェーデン、NZドル/カナダドル、豪ドル/カナダドル
②トレンド戦略:米ドル/円(ロング)
③スワップ戦略:南アランド/円、メキシコペソ/円、トルコリラ/円
このあと、①世界通貨セレクト、②トレンド戦略(ドル円ロング)、③スワップ戦略の順に、どの戦略がどの程度利益を生み、どんな相場状況に強かったのかを解説していきます。
※過去のシミュレーション結果であり、将来の利益を保証するものではありません。
高市トレード相場でも世界通貨セレクトは通常運行
まずは、今回のポートフォリオの「安定」担当である世界通貨セレクトから見ていきます。
強い円安トレンドが出た相場において、世界通貨セレクトから今回ポートフォリオに組み入れた以下の3通貨ペアは、いずれも米ドルや円の影響を受けにくく、着実に利益を積み上げていくことができました。
ノルウェー/スウェーデン

ノルウェー/スウェーデンは、実現損益728円(うちスワップ利益66円)、新規エントリー3回、決済1回。未決済のポジションは本記事執筆時点(11月21日)でもプラススワップを積み上げています。
NZドル/カナダドル

NZドル/カナダドルは、実現損益1,292円、新規エントリー7回、決済4回。10月9日から月末までは、日足レベルでもトライオートFXの得意なレンジ相場になっていました。
豪ドル/カナダドル

豪ドル/カナダドルは、実現損益1,947円(うちスワップ利益21円)、新規エントリー8回、決済6回と、世界通貨セレクトから今回選んだ3通貨ペアの中では最も大きな利益を上げています。特に、22日から29日にかけての上昇で利益確定が多く入りました。
このように、分散効果を持った通貨ペアを組み合わせた世界通貨セレクトは、円安トレンドの強い状況下でも大きな影響を受けにくく、安定した運用が可能です。
相関の低い通貨ペアを組み合わせることでリスクヘッジを行い、この安定したパフォーマンスが長期にわたって維持される期待が、世界通貨セレクトの大きな魅力です。
※過去のシミュレーション結果であり、将来の利益を保証するものではありません。
相場を狙い撃つ「トレンド戦略」で大きなリターンを狙う
次に、今回の「収益の柱」となったトレンド戦略です。この戦略は、2025年9月末にトライオートFXに実装されたばかりの、新しい自動売買ロジックです。

トレンド戦略は、対円通貨ペアの買い戦略・売り戦略に特化した、短期的な収益目的を目的とします。トライオートのセレクトから選択することで簡単に始められます。
今回はその中の「米ドル/円ロング戦略」が10月に上げた成績をご紹介します。

米ドル/円ロングは、まさに高市トレード相場のような円安トレンドに狙いを絞った買い戦略です。実現損益14,500円(うちスワップ利益987円)、新規エントリー34回、決済29回とかなりの高回転で、短期的に大きな利益を上げることができています。
トレンド戦略は、短期的なトレンドの方向性に沿った取引により、短期間で大きな利益を獲得できる点が最大のメリットです。高市トレードのようなドル円の明確な上昇トレンドが形成される局面では、世界通貨セレクトでは得られないレベルの収益が期待できます。
しかし、相場の方向性を正確に予測することは困難であり、予想が外れた場合は損失が拡大するリスクがあるため、事前に損切りライン(損失を確定する価格)を設定し、感情に左右されず機械的に損切りを実行することが重要です。
また、トレンドの転換点を見極める相場観や市場分析力が求められるため、慣れるまでは証拠金を小さくして経験を積み、ある程度のスキルを身につけてから本格的に取り組むことをお勧めします。
※過去のシミュレーション結果であり、将来の利益を保証するものではありません。
時間で収益を狙う「スワップ戦略」
最後に「時間で積み上げる収益源」として機能したスワップ戦略を見ていきます。
スワップ戦略は、高金利通貨を保有することで発生するプラススワップ(通貨ペア間の金利差から生じる利息のようなもの)で利益を積み上げることが狙いです。レンジ内の値動きで利益を積み上げる世界通貨セレクトとは異なり、日々のスワップ受取という「時間による収益」が特徴です。
含み損を抱え続ける局面もありますが、スワップを日々積み重ねることで、その含み損をカバーしながら長期的なリターンを狙うことも可能な戦略となります。

円安の流れに乗り、メキシコペソ/円と南アランド/円は、自動売買の決済益に加えてスワップポイントも着実に積み上がりました。(決済益累計:4,500円 スワップ累計:667円)一方で、トルコリラ円は、相場が動かなかったため、当該期間の新規建ておよび決済はありませんでした。
スワップ戦略の円建て通貨ペアは、高市トレード相場のような円安トレンドに非常にマッチした戦略といえます。ただし、これらの新興国通貨は政治情勢や経済状況の変化で大幅な為替変動が生じるリスクがあるため、高いリターンを狙うには定期的な情勢確認や適切なリスク管理が必要です。
※過去のシミュレーション結果であり、将来の利益を保証するものではありません。
複数戦略同時運用の意義と今後の考察
トライオートFXの3大戦略を同時運用することで、単一戦略のリスクを分散し、より安定したリターンを目指せます。
たとえば、世界通貨セレクトをベースにトレンド戦略を加えると、レンジ相場の安定性を保ちつつ、短期的なトレンドを捉えて積極的な利益を追求できます。また、スワップ戦略を組み合わせれば、金利差による長期的な収益をプラスし、高市トレードのような円安環境でさらに効果を発揮します。
ただし、トレンド戦略は相場観が必要で、予想が外れると損失が拡大しやすいことに注意が必要です。同様にスワップ戦略も相手国の金利変動や為替リスクに注意を払う必要があります。
そこで、初心者の方はまず世界通貨セレクトから始め、慣れてきたら他の戦略を追加するのがおすすめです。これにより、それぞれの弱点を補完し合い、相場環境の変化に対応する適応力を高めることで、安定した運用が可能になります。
今後の相場では、高市政権の政策に加えて、世界経済の方向性を決定づける米国の動向が重要な変動要因となるでしょう。米国の雇用統計やインフレ指標などの経済指標が、ドル円をはじめとする為替相場に大きな影響を与える可能性があります。
特に、米中関係の緊張や貿易摩擦の再燃は、リスク回避の円買いや新興国通貨の売り圧力につながりやすく、各戦略のパフォーマンスにも大きく影響することが予想されます。
このような複雑で予測困難な国際情勢の中では、一つの戦略に依存することのリスクがより鮮明になります。トライオートFXでは、自分好みの戦略を選んで柔軟に組み合わせることができますが、定期的な市場監視とリスク管理を忘れずに行うことが重要です。
複数戦略の活用により、政治的・経済的な変動要因に左右されにくい、長期的で安定したFX運用を実現していただけるはずです。


















